鋭利で武骨な“空の王者” 北海道・風蓮湖 オオワシ(産経新聞)

 3月に入っても、車で乗り入れ可能な分厚い氷で覆われる北海道の風蓮湖。根室半島の付け根にある湖では、国の天然記念物「オオワシ」が、サハリンやカムチャツカ半島などへの帰り支度に追われていた。

 海を渡って繁殖地へ戻るエネルギーを蓄えるオオワシは貪欲(どんよく)だ。一帯では氷の下に網を張り、ワカサギに似たチカを狙う「氷下(こおりした)漁」が盛ん。網揚げ作業を終えて漁師が去ると、氷上に捨てられたトウガレイなどの雑魚(ざこ)に、50羽以上が一斉に群がる。鋭いつめとくちばしが迫力十分だ。

 オオワシは世界で約5千羽を数えるだけの絶滅危惧(きぐ)種。大きい個体は翼を広げると245センチになる、日本最大の猛禽(もうきん)類で、魚やカモメ、ネズミなどを食べる。食物連鎖の頂点に立つ「空の王者」だ。

 昭和60年ごろまで、日本で越冬するオオワシの9割近くは知床半島の羅臼沿岸にいた。が、羅臼のスケトウダラ漁が不振に陥り、おこぼれがなくなったため道内各地に分散。新たに越冬の中心地になったのが、ラムサール条約にも登録された風蓮湖だった。やはり目当ては漁のおこぼれ。王者は漁師に依存して冬を越しており、今年も約800羽が確認されている。

 国内で観察できる野鳥の半数、約250種が集う風蓮湖だが、環境に異変も起きている。湖の結氷期間は年々短くなり、周辺の木々にはエゾシカの食害が目立つ。鉛の散弾で駆除したシカを食べた野生動物の鉛中毒も懸念されている。

 風蓮湖がある根室市春国岱(しゅんこくたい)原生野鳥公園のレンジャー、手嶋洋子さんは「オオワシが集団で越冬できる所はあまりない。冬場でも猛禽類が狩りのできる、凍らない場所にある川の整備なども大切」と訴える。(写真報道局 早坂洋祐)

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